こんにちは!
今回は、アニメーション映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」についてレビューしていきます!
本作は宇宙世紀0105年の物語です。
いわゆるファーストガンダムの”一年戦争”から26年後の世界で、
その間に「Zガンダム」や「ZZ」、「逆襲のシャア」など
さまざまなシリーズ作品が制作されていますが、
未履修の方がこれらすべてを網羅していくのはなかなかに大変です。
とにかく作品数とキャラクターが多くて、
全てを把握するのが困難で、
諦めてしまう方も少なくないと思われます。
しかし、この「閃光のハサウェイ」はそのメインストリームからは少し外れたところにある作品です。
キャラクターも厳選して絞り込まれたかのように少なく、
それらがぐいぐいと引っ張ってくれることで
物語はシンプルに進行していくので
初めてガンダムシリーズを見る方にもおすすめです。
まだ観たことがないけど興味があるという方は、
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
※ネタバレあり
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのあらすじ
地球に向かう超豪華シャトル”ハウンゼン”に一人の青年が乗っていました。
彼の名はハサウェイ・ノア。
俗にいう”一年戦争”の英雄、ブライト・ノア艦長の息子でした。
そんな彼以外には、政府高官らの特権階級と言われる人々が
地球で行われる会議に向かうため、
家族を伴って乗船していたのです。
そこにはもう一人、謎めいた少女がいました。
身元が定かではない彼女は、ギギ・アンダルシア。
そして彼女を口説こうとするスーツ姿の軍人、ケネス・スレッグ大佐も。
安定航行していたハウンゼンに突如衝撃が走りました。
”マフティ・ナビーユ・エリン”と名乗る武装集団が乗っ取りを仕掛け、
押し入ってきたのです。
大臣が射殺され恐怖が支配するなか、
咄嗟に動いたのはハサウェイでした。
そしてケネス・スレッグが協力して集団を制圧し、
ハウンゼンは当初の予定を変更し、
フィリピンのダバオに降下したのです。
事件の被害者として地球連邦政府と軍に保護されたハサウェイとギギでしたが、
その夜遅くに再び危機が訪れました。
ダバオに降りた連邦政府の高官たちを狙って、
本物の”マフティ”の部下たちがモビルスーツ・メッサーを駆って
空襲を仕掛けてきたのです。
攻撃されたホテルを抜け出し、
大混乱の街の中を逃げ惑ったハサウェイとギギは、
ケネスによって助けられました。
彼は、ダバオにある地球連邦軍の新任指揮官だったのです。
偶然にしては出来過ぎだろうというほどのシチュエーションに
疑問を抱いたケネス・スレッグ大佐は、
ハサウェイとギギの身元を調べましたが、
その真実までにはたどり着けないうちに
ハサウェイはダバオを離れました。
彼は自身を学生と申告していましたが、
実は彼こそがテロリスト集団の首謀者、
マフティ・ナビーユ・エリン本人だったのです。
ハサウェイとその仲間は新しいモビルスーツと
その装備を受領するためにこの場所に来ていました。
そして宇宙からの空中受領で”クスィー・ガンダム”を手にします。
ケネス・スレッグはそれがハサウェイとは確証が持てないままに、
部下のエース機であるペーネロペーを差し向け激しい戦闘になりましたが、
かろうじてハサウェイが搭乗したクスィー・ガンダムが勝利し、
事態は一応の鎮静化をみました。
しかし、混乱する事態は一向に収まる気配を見せません。
オーストラリアのオエンベリでは”マフティ”と勝手に名乗る反乱軍と、
地球連邦政府が泥沼の戦闘を繰り広げていたのです。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイの魅力を徹底レビュー
冒頭の、シャトル=ハウンゼンが
その時代の最先端のホスピタリティをもった
宇宙旅行のシーンであるところに夢があるなと思いました。
豪華でゆとりのあるシートや贅を尽くした料理など、
無重力のなかで堪能することができるためのさまざまな仕掛けがあり、
将来そうしたものが実用化されるかもしれないと思えるような
ちょっとワクワクするシーンになっています。
その後、残念ながら凄惨な銃撃事件の現場になってしまうのですが、
その畳みかけるような10数分の導入でハサウェイ・ノアの為、
人と彼のもつポテンシャルの高さがこれでもかと描写されています。
さらに、ダバオの街の風景が混然一体として、
いかにも将来なりえそうなハイソサエティが集う豪華なホテルと、
下町の人々の暮らしの落差などを表していており、
一筋縄ではいかない未来の政治の在り様が表されていると感じました。
そしてなんといっても圧巻だったのは、
ハサウェイが巻き込まれたダバオ市街地の空襲のシーンです。
実は、その空襲と攻撃はハサウェイが部下に命じて行わせたものでしたが、
まどろむハサウェイの脳裏に浮かぶ場面から
一気に引き込まれて展開していく音楽と絵の素晴らしい融合がありました。
その時に流れていた”TRACER”という楽曲を
そのまま取り込んだようなシーンの展開は素晴らしく、
この映画の中でも最も脳が引きずり込まれるような感覚を味わえます。
勿論、ガンダムシリーズの作品なので、
モビルスーツ戦は大きな見どころですが、
むしろそのコクピットで戦っている
パイロットたちの表現もまた素晴らしいですね。
ハサウェイの部下で、歴戦のパイロットであるガウマン・ノビルは
ダバオ空襲の際に捕虜になりましたが、
彼が出撃していく様子や尋問されているシーンの芝居が素晴らしいです。
声優を務めているのは津田健次郎さんですが、
その渋い声と自由奔放な芝居は本作で
一番のびのびと楽しんで演じているかのようでした。
そんなガウマン・ノビルが心酔して活動に参加しているというところからも
”マフティ”の組織の凄みが伝わってきます。
本作は恐らく三部作になるだろう最初の物語なので、
さわやかな感じの[Alexandros]が歌う「閃光」で幕を閉じるのが
ちょっと不思議な感じがしますが、
これから冨野監督がどれほどの地獄を用意してくれているか、
原作ファンならご存じでしょうし、
知らないままにハサウェイの行く末を味わっていくのも良いと思います。
まとめ
登場するモビルスーツがとてもカッコよく、
「ああ、ガンダムってこんな感じなんだ?」と
楽しむにはちょうどいい作品だと思われます。
ガンダムにそれほど縁がなくて
まだいろいろ見られていないという方に
お勧めするにはぴったりの作品です。
作画と声優さんたちのお芝居のクオリティは素晴らしいので
安心してご覧いただきたいですね。
この記事が機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイを視聴するきっかけになれば嬉しいです!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!